CLTを使った中高層ビルの建築
CLTは、挽板(ラミナ)を繊維方向が直行するように積層接着した大型面材で
新たな集合材と注目を浴びています。
従来使えなかった高層建築物に木材が使用できるようになり、
ヨーロッパで木造高層ビルが建ち始めているんです。
ヨーロッパでは20年の歴史がありますが、
日本ではこの3年くらいで盛り上がってきました。
国土交通省もCLTの普及にむけて2014年にロードマップを発表し、
2年程度の実験・検討を繰り返され2016年4月に
基準強度と設計方法の告示・公布・施工される予定なんです。
では、従来の鉄筋コンクリート(RC構造)と比べて
CLTが優位なのはなんなのでしょう。
鉄筋コンクリート(RC構造)の場合、構造体が出来上がるまで
1カ月かかる工期がCLT工法だと1日でできるんです。
型枠で固める時間もとらず、カットも自在にできるため
コンクリートより使い勝手がいいため、
施工の省力化がはかれる事でしょう。
また、鉄やコンクリートと比べて木の方が断熱性が高く、
省エネ設計も可能になります。
同じ大きさのPC(プレキャストコンクリート)パネルと比べると
1/4程度の重量になるため建築物の軽量となり、耐震性が向上します。
耐震補強としてもCLTが普及するかもしれませんね。
今までは鉄筋コンクリート(RC構造)で建築していたビルが
今後、木造ビルが立ち並ぶ日がくるかもしれません。
■CLT(Cross Laminated Timber=クロス・ラミネーテッド・ティンバー)
欧州で開発された工法。繊維方向に揃えたラミナと呼ばれる板をクロスに重ねて
接着材で圧着した厚型パネル。